Musical Scales

音楽の特異性

なぜ音楽は全ての文化に存在しているのだろう。それぞれの音楽が持つ特異性、また類似性は何だろう。私たちのプロジェクトでは特にスケールに注目して、人間の認知・美意識の普遍性、さらにそこから見えてくる人間の生物的、文化的な進化と発展を明らかにしていきます。

世界中の音楽、数千曲を対象にし、それらのスケールの共通性、特異性を分析します。その際、”Tarsos”というソフトウェアを用いることで、音源データにある音階を自動で抽出することができます。また、このソフトウェアは音程を測定するための単位であるセントを用いるため、西洋的な12音階による音階認識に寄ることなく、スケールを把握することができます。
今後は、言語が持つ音楽的な要素にも目を向け、分析範囲を人間の話し声と鳥類の鳴き声にまで広げます。それによって、動物が進化の過程によって得てきた音によるコミュニケーション、その認知のメカニズムと、共通性が明らかになることを期待します。さらに、人を対象とした知覚実験も行い、実際に人間が音・音楽をどう知覚・評価するのかを検証します。

今までのところ、世界中の50曲を対象に分析を行いました。それによって明らかになったことは、中心音(0セント)からみて、200セント(長2度)と700セント(完全5度)は世界中のほとんどの曲に共通して存在することでした。この音階が多くの曲の中で見られることは、人間の音楽認知の仕組みを理解する上で大きなヒントになると考えています。

Twitter @sfcMusik